Monozukuri Ventures(以下、MZV)代表の牧野です。
以前、「製造業におけるオープンイノベーションの取り組み方」を書いたところ、色々な質問があり、改めて日本企業におけるオープンイノベーションに対して感じることをお伝えしたいと思います。
まず昨今、製造業企業ではオープンイノベーションがホットキーワードになっています。オープンイノベーションを象徴する取り組みとしてコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)がありますが、ハードウェアに投資している日本企業のCVCファンドを調査したところ、2018年からその数が急激に増えてきています。
 
出典:【Monozukuri Ventures】 CVCレポート(2023年4月)
なぜ日本の製造業企業のCVCが急激に増加したのか
1996年にEngines of Innovation: U.S. Industrial Research at the End of an Era(日本語タイトル:中央研究所の時代の終焉)が出版されました。この本はアメリカを中心に大企業で研究開発(R&D)予算が削減されていることを著した書籍でした。ただ重要なのはこの縮小されたR&D予算がスタートアップへの出資に切り替わっており、これまでの自前主義からスタートアップに研究開発を開放して、新規事業やイノベーションを生むというのが1つの結論となります。
日本企業のオープンイノベーション
昨今、世界情勢が不安定になる中で、製造業領域でのオープンイノベーションの取り組みはスタートアップ(特にディープテック)にとっても関心事項になっています。例えば私達の投資先である半導体材料を開発するArieca社(@米国ピッツバーグ)は量産パートナーや最初の顧客として日本市場に狙いを定め、日産化学社やローム社と協業することでグローバル・マーケットへの足がかりを作ろうとしています。またEdge AIを開発するEdgeCortix社(@シンガポール)は自動車や生産設備をターゲットに日本に開発拠点を設け、昨年はソフトバンク社やルネサス社との連携を進めています。海外のスタートアップにとって日本の製造業企業との事業連携は一段と事業ステージを上げる事に貢献しており、ここに「製造業イノベーション」が生まれる可能性があると感じています。
※参考:弊社の投資責任者 関の日経ビジネス寄稿【ディープテック系スタートアップへの投資が日の丸製造業を救う】

こうした活動をより多くの日本企業に体感してもらいたいという想いから、「世界のディープテックスタートアップは日本を目指せ」を合言葉にDeep Tech Forumというイベントを立ち上げました。 3月にはDeep Tech Forum Kyotoを開催しました。今後も継続して開催予定ですので、日米のディープテックスタートアップとの連携や本当のオープンイノベーションを生み出したいと思っている方々は是非ご参加お待ちしています。 ■Deep Tech Forum Kyoto2024 開催レポート
 
         
     
                 
                 
                 
            
 
                                 
                                 
                                